【登辞林】(登記関連用語集)


[し]

嘱託登記

職務執行者 (1)合名会社合資会社合同会社の業務執行社員が法人である場合、当該法人が職務を行う者として選任する自然人のこと。職務執行者は、業務執行社員たる法人の役員等である必要はなく、複数名選任することも可能。
(2)有限責任事業組合の組合員が法人である場合、当該法人が職務を行う者として選任する自然人のこと。職務執行者は、組合員たる法人の役員等である必要はなく、複数名選任することも可能。

職務上請求書

初日不算入(しょじつふさんにゅう/しょにちふさんにゅう) 期間の起算をするにあたり、その期間の初日を一日と数えないこと。民法上、「日」「週」「月」「年」によって期間を定めたときは、その期間が午前0時から始まる時を除き、期間の初日は、算入しないとする(民法第140条)。
4月1日にした契約で「本日より1年間」と定めれば、4月1日は算入されず、4月2日から起算されるので、期間は、翌年の4月1日に満了する。3月31日に契約を締結し、「4月1日より1年間」と定めれば、期間の初日が午前0時から始まるため、4月1日は算入され、期間は、翌年の3月31日に満了する。
年齢の計算については、「年齢計算ニ関スル法律(明治35年12月2日法律第50号)」により、初日が参入されるため、4月1日に生まれた者は、翌年の3月31日の満了時に満1歳となる。

初旬 (→上旬

除斥期間 一定期間権利を行使しないとその権利の行使ができなくなる期間。消滅時効と類似するが、中断がなく、当事者の援用の必要もない。条文上、「時効によって消滅する」と定められていても、「除斥期間」である場合がある。

所有権移転 売買や相続等によって、物(不動産及び動産)の所有権が移転する物権変動。又は、不動産登記においては、その登記の目的。所有権が移転したことを第三者に対抗する為には、原則、不動産については登記、動産については目的物の引渡しを要する(民法第177条、第178条)。不動産の登記は、売買等の特定承継の場合は譲渡人を義務者、譲受人を権利者とする共同申請で、相続や合併等の包括承継の場合は登記権利者による単独申請で行われる。

所有権移転外ファイナンス・リース取引 ファイナンス・リース取引のうち、「所有権移転ファイナンス・リース取引」以外のもの(会社計算規則第2条第3項76号)。

所有権移転ファイナンス・リース取引 ファイナンス・リース取引のうち、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借主に移転すると認められるもの(会社計算規則第2条第3項第75号)。

所有権保存 所有権の登記がされていない不動産について、初めてなされる所有権の登記。表題部に記載されている所有者の表示は、所有権を公示したものではない。所有権保存登記を申請することが出来るのは、1.表題部所有者又はその相続人その他の一般承継人、2.所有権を有することが確定判決によって確認された者、3.収用(土地収用法(昭和26年6月9日法律第219号)その他の法律によって所有権を取得した者である(不動産登記法第74条第1項)。区分建物においては、表題部所有者から所有権を取得した者も、この登記を申請することができるが、当該建物が敷地権付区分建物である場合には、敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない(同法第2項)。所有権保存登記においては、登記の原因を登記することを要しないが、敷地権付区分建物について、を表題部所有者から所有権を取得した場合においては、登記の原因を登記することを要する(同法第76条第1項)。所有権の登記がない不動産について嘱託により所有権の処分の制限の登記をするときは、登記官は、職権で、所有権の保存の登記をする(同法第76条第2項)。

所有権留保 売買契約において、売買代金の完済まで、目的物の所有権を売主に留保しておくことで、非典型担保としての役割を果たす。
売買代金の完済前に、買主が売主に無断で目的物を処分、損壊等をすると、横領罪や器物損壊罪を構成する(刑法第252条、第261条)。
割賦販売法(昭和36年7月1日法律第159号)7条では、一定の商品につき、賦払金の全部の支払が履行されるまでは、所有権は割賦販売業者に留保されたものと推定するとしている。
宅地建物取引業法第43条第1項では、宅地建物取引業者が自ら売主として宅地又は建物の割賦販売を行なつた一定の場合について、所有権留保を制限している。
(→譲渡担保)(→買戻しの特約)(→再売買の予約)(→仮登記担保

自力救済(じりょくきゅうさい) 私人が法律に定める手続きによらずに、実力を行使して権利の実現を図ること。自力救済は、原則として許されず、その行為は違法となるが、緊急・やむを得ない場合等、一定の場合には、違法性が阻却される(違法性阻却事由)。自己の物の占有を奪われたからといって、実力で奪い返してはならないということ。ただし、今まさに、その占有を奪われたのであれば、奪い返すことについての違法性は阻却される。「自救行為」とも言い、刑事法上は、専ら「自救行為」の文言を用いる。(→不法行為

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